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2013年 01月 25日
逗子の法性寺から名越の切通しを抜けて鎌倉を目指す その2
さて今回は、逗子の法性寺から名越の切通しを抜けて鎌倉を目指す、歴史散策の旅の 2回目です。
まったりとどうぞ・・・。




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JR逗子駅から歩くこと 20分後の 11時ジャスト、やっと法性寺の山門に到着。
案外かかったな。

法性寺(ほっしょうじ)は正式名を猿畠山法性寺といい、日蓮宗妙本寺の末寺にあたる。

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古くて立派な山門の扁額(へんがく)には「猿畠山」の文字がある。そして扁額の左右には白い猿がいて、扁額を抱えるようにしている。

まずはこの白い猿の話からせねばなるまい。

ここ法性寺は日蓮宗のお寺だと書いた。
他宗を激しく非難したことで知られる日蓮は、文応元年(1260年)鎌倉の松葉ヶ谷にあった小庵を念仏宗徒たちに襲撃される。

しかしそのときに突如白い猿が現れて、日蓮をある山にあった洞窟に導いてくれ、難を逃れたという。
この法性寺の裏山にある洞窟(石窟)こそがその洞窟だという。

(もっとも安国論寺の裏山にも、その洞窟だという南面窟(なんめんどう)がある。このあたり「本家争い」みたいなところがあるのだろう)

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だから山門の手前にはこのように「日蓮大聖人焼打避難之霊跡」という石塔が建っている。

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山門を抜けて境内に入っていく。
右が山で左側に民家がある緩やかなスロープが続く。

7年前に訪れたときには山崩れ防止のためと思われる工事が行なわれていて騒がしかったものだが、もうそれもすっかり終わったらしく、静かなものだった。

一方左側には民家が続く。

「もうここはお寺の境内のはずなんだけれどさ。このあたりのお寺は観光収入などないからこうして人に貸して地代を取ったりしないと大変なんじゃないかなあ」

と偉そうに 2人に説明する。まあ多分そういうことなんじゃないかと思う。

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11時5分、お寺の本堂(だと思う)に到着。
ご覧のように「ちょっと立派な普通の家」って感じで、あまりお寺らしくない。

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本堂の脇を通り越して、上に上っていく。

ますます急になったスロープの上から見下ろすと、今まで貧相に見えたお寺の屋根が存外立派なことに驚く。Y氏も少し驚いていたほどだ。
う~ん、これは失礼しました。「ちょっと立派な普通の家」ではなく、「存外立派なお寺」なのかもしれない・・・。

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やがて法性寺の奥之院に到着。
正面のお堂は多分祖師堂(そしどう:各宗寺院で、祖師を祀った堂)だと思います。

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そして祖師堂に向かって左側にあるこの岩屋こそが、日蓮上人が白猿に案内されて難を逃れた岩屋だというのだ。

確かにそれらしい雰囲気はありますね。
中には鎌倉末期のものとされる五輪塔があるらしい。

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岩屋の手前にはこのように石で作られた白い鳥居がある。「山王大権現」と書いてあるのが分かりますか?

山王権現(さんのうごんげん)とは、日吉(ひえ)神社・日枝(ひえ)神社の祭神で、その使いは猿だという。
「使い」っていうのは「神仏の使者をつとめる鳥獣」のことだ。「稲荷神社における狐がその代表」といえば分かりやすいだろう。

つまり山王権現の使いが猿ということで、その猿が日蓮を助けた・・・という流れになる。話としてはつながりますね。

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鳥居をくぐって石段を登っていくと、頂上からは逗子の町並みと海がくっきりと見渡せた。
ちょっと逆光になってしまってはっきりと海の写真を写せなかったのが残念だったけれども、まさに絶景って感じだった。

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一方裏手の方を覗くと墓地と畑の先に、鎌倉時代の遺構の大切岸(おおきりぎし)が見えていた。

これはまた次のお話ということで・・・。

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by JunMorosawA | 2013-01-25 18:08 | 地元(鎌倉)の話 | Comments(2)
Commented by 山バカ夫婦 at 2013-01-26 14:17 x
まだまだ鎌倉も面白いところがありますね。
何となく歩いている処でも、新しい発見があったりして・・・
暇があったら(あるんですけど・・寒い)歩いて見たいです。
Commented by JunMorosawA at 2013-01-26 18:40
山バカ夫婦さん、こんにいちは・・・。

> まだまだ鎌倉も面白いところがありますね。
> 何となく歩いている処でも、新しい発見があったりして・・・

結構この逗子スタートのコースは面白いですよ。本来なら岩殿寺も寄るべきですね。

> 暇があったら(あるんですけど・・寒い)歩いて見たいです。

そうですね。春の花が咲き始めてからでもいいかもしれません。

宝登山にも行ってみたいのですが、片道3時間以上かかるため、ちょっとためらっています(苦笑)。


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