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2011年 09月 17日
北アルプス常念山脈縦走記 その21
身長は 174cmあるのに体重はわずか 55kgの貧相な体つき。
おまけに過敏性腸症候群気味で年中胃腸の調子がぱっとしないという、虚弱体質の中年男が北アルプスの山に挑むというお話。

2日目の最終目的地である燕山荘に到着した我々に長い夜が待っていた。



● 夕食

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7時から 3回目の食事がスタートする。

ご飯・みそ汁がお代わり自由なのは常念小屋と一緒。
おかずのメインはハンバーグ。あとはシューマイ、ポテトサラダ、キャベツ、漬物(?)に、杏仁豆腐のようなスイーツがついていた。

ハンバーグはちょっと硬くて箸では切りにくかったけれども、味はおいしかった。
その他のものもとてもおいしかった。いや、おいしく感じられただけなのか。

とにかく今回も妙なほどの食欲があった。
やっぱり私は山にいるときの方が体調がいいらしい。特に胃腸の調子が。
山でのシンプルな生活が私の乱れた自律神経を改善してくれているのかもしれない。

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食事のあとに、名物オーナー赤沼氏によるお話があった。

食堂がうるさくて、最初は声が聞き取りにくかった。話が受けてないような印象もあった。
でも流石は名物男。徐々に聴衆を引きつけていく。

例えば足が吊った場合、梅干がとにかく効果があるという話をした。1つ食べるだけで片足なら1分で治るという。
特に天然塩で作った梅干は効果が高いという。
で、最後に「よろしかったらうちの売店で売っています」と笑いを誘う。

季節の話も興味深かった。

このあたりが春になるのは 7月10日あたりからで、夏になるのはコマクサが咲き始める 7月20日から、そして 8月1日にはキキョウやリンドウが咲き出してもう秋になってしまうという。

だから 8月11日のこの日などは、もう完全に秋ってことだ。だからコマクサもイマイチだったのかもしれない(花が痛んでいるものが多かった)。
北アルプスの夏って、とても短いんだなあ。

あと、昔は 80kgぐらい背負って荷物を山小屋まで運び入れたらしいが、今ではヘリコプターで輸送しているんだそうだ。
そういえば常念小屋の近くにもヘリポートのようなものがあったっけ。向こうも同じなのだろう。

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最後にお馴染みの赤沼オーナーによるアルプホルンの演奏があった(あまりにも暗かったもので、手ブレ写真ですいません)。
アルプホルンは思っていたよりも長くてびっくり。まるで物干し竿のようだ。

今日は時間がない、みたいなことを最初に述べられていたような気がするのだが、その割には結構長く演奏してくださった。

しかし正直アルプホルンの演奏よりもオーナーの話の方が印象に残っている。
燕山荘は「泊まってよかった山小屋」ランキングなどで全国 1位らしい。きっとこのオーナーの人柄によるところが大きいのだろう。

● 寝床にて

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山に入って驚いたことがある。ケータイの電池があっという間になくなってしまったのだ。
出かける前に満充電にしたのだから通常ではなくなるわけがないのだが、Y氏のケータイも一緒だった。

ところが何とフロントの近くに「携帯電話、カメラ充電コーナー」があった。
こいつでまた満充電にすることができた。
但し、ドコモが 2つ、auが 2つ用意されているだけでソフトバンクのはない。
ここでも「山ではソフトバンクは不利である」ということを知った。

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少し前の話だが、我々のブロックの隣に、ヒゲの青年と鈴木宗男風の親父がやってきた。

ヒゲの青年はとてもおとなしい感じだったが、鈴木宗男氏がいけない。
入ってきたときに早速激しく梁に頭をぶつけ、「他の部屋ないの?」と女性スタッフに文句を言っていた。

その鈴木宗男氏を見て私は思った。「こいつは絶対にイビキをかく」と。
太った中年って必ずイビキをかくに決まっているのだ。もう間違いない。
やれやれ。また2日連続眠れない夜なるのか・・・。

さて、実は 2人は偶然山で出会った顔見知り同志だった。
ってことで、最初はその 2人だけが喋っていた。ところがヒゲの青年の方が横浜から来たと知って私も話に加わった。

私が「実は北アルプスは初めてなんです」と打ち明けると、何と彼も初めてだという。そのくせ明日は槍ヶ岳を目指すというのだから立派なものだ。

そんなわけで、先輩風を吹かす鈴木宗男氏にいろいろ尋ねていた。
彼としては、初アルプスでいきなり槍を目指すことにやや不安を感じていたようで、鈴木宗男氏に「大丈夫でしょうかね?」と尋ねていた。

鈴木宗男氏の方は、

「大丈夫だよ。山は稜線に出るまでが大変なんだから、1回稜線に出ちゃえば、あとは稜線歩きだけでしょう?行けるよ」

などと思い切り先輩風を吹かしながら喋っていた。
今から思うと鈴木宗男氏はともかく、お髭の青年ともっと仲良くなっておけばよかったと思っている。

● 長い夜

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8時半頃になって、カメラを持って外に出た。星を見るためにだ。
意外なほど上空はよく晴れていた。しかし雑誌でよく見かけるような満天の星空ではない。

燕山荘の明かりが邪魔しているのか、それとも夏はこんなものか、どっちなのだろう。

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試しにベンチにカメラを固定してその星を写してみた。
「なんだこれ」と思わないでほしい。星空です。

下に写っているのは北斗七星じゃないかと思うんだけれども、どうでしょう。私は星のことはさっぱり分からない。

でも北斗七星がこんなに大きく写ってしまうのだろうか。
ってことは満天の星空を撮るには、もっと超広角レンズが必要ってことなんだろうか。
謎ばかりです・・・。

寝床に戻る。

「山ではケータイの電池が減りやすい」ということを学んだ私は、ケータイの電源を切った。これで明日 1日ぐらいは十分持つだろう。
ちなみに別に山で頻繁に電話しているわけではない。歩数計として使っているだけなのだ。それでもあっという間に減ってしまうんだよなあ。

で、 9時になって見事に明かりが消えた。

問題のイビキだけれども、意外なことに鈴木宗男氏は静かな寝息を立てているのみ。
何とイビキをかきだしたのはヒゲ青年の方だった。

「これは外したなあ」と思っていたら・・・やっぱりそのうち鈴木宗男氏が豪快なイビキをかき始めた。
ほら見ろ。やっぱりデブな中高年男は必ずイビキをかくんだ。例外ないな、これ。
逆に青年はすぐに静かになってしまった。

一方反対側に寝ているY氏はというと、鈴木宗男氏に比べればおとなしいものの、やはり時々はイビキをかいていた。
そういえば最近彼も太りだしている。例外ないな、やはり。

というわけで私はまたしても眠れぬ夜を過ごす羽目になったのであった・・・。

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by JunMorosawA | 2011-09-17 08:48 | 低山歩き | Comments(4)
Commented by 山バカ夫婦 at 2011-09-17 21:20 x
はじめまして
表銀座通りは何時見ても眺めが良く理想的なコースですよね。
相変わらず赤沼さんはホルンを吹いてサービスしてますね。
のちほどのブログ楽しみにしてます。
Commented by JunMorosawA at 2011-09-17 21:59
山バカ夫婦さん、はじめまして。

> 表銀座通りは何時見ても眺めが良く理想的なコースですよね。

そうですね。ただ私のときは縦走した日が曇りだったんで、ちょっと残念でした。

> 相変わらず赤沼さんはホルンを吹いてサービスしてますね。

ひょっとしたらいつも同じ曲を弾き、いつも同じギャグを言ってるんでしょうか(苦笑)。
Commented by 膝痛男 at 2011-09-18 20:58 x
携帯は圏外になると、基地局探しにパワーを使うみたいです。
私は必要の無い時は、電源を切っています。富士山では半日でバッテリーが無くなりました。
どこかで見ましたが常念山脈のドコモ通話マップとやらありましたが、山はドコモがいいみたいですね。私はAUですが。

この夏は大天荘に泊まったのですが、予約では普通に090-で始まる番号で連絡を取れたのに、現地では私の携帯は通じなく圏外でした。
なぜかとオーナーさんに聞いたら、ここの山小屋は衛星電話だとか・・・合点いたしました。

しかし山荘での充電サービスありがたいですね。(^u^)
Commented by JunMorosawA at 2011-09-18 21:21
膝痛男さん、はじめまして。

> 携帯は圏外になると、基地局探しにパワーを使うみたいです。

なるほど!そういうことですか!合点が行きました。

> どこかで見ましたが常念山脈のドコモ通話マップとやらありましたが、山はドコモがいいみたいですね。私はAUですが。

やっぱりそうですか。ちなみに私も AU です(苦笑)。

> しかし山荘での充電サービスありがたいですね。(^u^)

本当にそうですね。まさかやっているとは思っていなかったんで、助かりました。

他の山小屋でもやっていたのだろうか???


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