蓑毛(みのげ)バス停から大山山頂目指して歩き始めた私。
中間地点のヤビツ峠でヒルに襲われたり、ガスの中神々しい鹿と遭遇したり、いろいろなことを経ながら、やっと大山山頂が目の前に迫ってきた・・・。
いくつかの鳥居をくぐり、10時55分、遂に大山山頂に到着。
大山は昔から神奈川県民に「神の山」と言われていた山で、昔は成人になる前に一度は登ったものなんだそうだ。
また江戸時代の昔から、「大山詣で」というのが盛んに行われていて、関東ばかりでなく、遠く信州などからも参詣者が集まり、最盛期には年間20万人にものぼったという。
また絶景の山にもなっていて、晴れていればこんな風に関東平野から海までが一望できるのだが・・・。
樹木に注目、これは1枚前の写真とほぼ同じ場所から写したのに、この日は真っ白で何の展望もない。
それでも新しい登山靴を履いて、数々の困難(?)を乗り越えて、ここまで無事来れたことがとにかく嬉しかった。
だから満足感で一杯だった。
思えば従兄弟と箱根の明神ヶ岳に登ったとき、一人で山中湖畔の鉄砲木ノ頭に登ったとき、何度も妙な息切れに襲われた。
それが今回は全くないのが嬉しかった。
どうやら多少は体力が戻ってきているようだ。
大山山頂には阿夫利神社(あふりじんじゃ)の奥の院があるのだけれど、こんな天候のせいか、シャッターが閉まっていた。これでは手も合わせられません。
唯一雨宿りできる場所に、ハイカーが集まっていた。
こんな日でも登ってくるんだなあ。いや、こんな日になるとは思わずに登ってきたのだろう、私のように。
ここには写ってないけれども、小さなフライパンの上で焼肉を作っていた夫婦がいた。
ちょっと迷った挙句、近寄っていって「最高の贅沢ですねえ!」と話しかけたら、嬉しそうに笑いながら、「きのうもなんですよ」と言っていた。
一方私はというと、せっかくおにぎりを買ってあったのに、一向に食欲がなかった。
いや、なかったんじゃないのだが、その焼肉を食べたいとは思ったものの、おにぎりに対する食欲がなかったのだ。
いいさ。下山してから久しぶりにそばでも食べよう。
さて、そうなるといつまでも雨宿りをしている意味もない。そろそろ立ち去ろう。
行動を起こすときに、私はちょっと思い切って大きな声で、
「じゃ、お先に」
とみんなに言ってみた。
夫婦者をはじめとして、予期してなかった人が「気をつけて」と声をかけてくれたのがとても嬉しかった。
何だかこのときこの瞬間、大山山頂には感じのいい硬派の山男たちばかりが集まっていたのではないかと思ってしまった私だった。
というわけで11時10分に一人下山を始めたのはいいのだけれど、道の一部はこんな風に水たまりになってしまっていた。
やれやれ。これは下山も大変そうだな・・・。
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