今回は「九鬼山のんびり紀行」の2回目。一旦札金峠まで下った私は、正面の九鬼山に向かってまた登り返すのであった・・・。
札金峠から20分ほど登るとこの紺屋の休場という場所に着く。ここも休憩するのには最適な場所だ。
紺屋の休場とはまた変な名だが、これは「紺屋の職人が仕事の帰りに休憩をとった場所」というような意味があるらしい。ならば私も休みましょう。
ちなみに「紺屋の休場」は多分「こんやのやすんば」と読ますんだろうと思う。
紺屋の休場から4~5分進んだところの斜面で、ご覧のヒトリシズカを発見。
漢字で書くと「一人静」。そう、源義経の愛妾(あいしょう)で、舞の名手だった静御前(しずかごぜん)からこの名が来ている。
撮影中に、上からハイカーが下りてきた。
彼もカメラを持っているから、私と同じに野の花を探しながら歩いているのかもしれない。
彼は近くに何株も咲いているヒトリシズカを指して、
「これじゃヒトリシズカじゃなくてミンナニギヤカですね」
などと言っていた。
ちなみにフタリシズカという花もあるが、あまりこれと似ていない。
この場所にはご覧のアケボノスミレも随分咲いていた。以前高尾山周辺で発見したものよりも色みが濃いように思えたんで、ちょっと真剣になって撮影する。
これもいいが、去年数株しか発見できなかったヒゴスミレに今年も出合えるといい・・・。
田野倉駅から2時間40分後の11時22分、遂に九鬼山山頂に到着。
九鬼山は標高970mだから、まあ高さからいったらたいしたことはない。
でも静かで登山客もそんなに多くはないし、それでいて野の花の宝庫なのだから、私にとっては理想的な山といえるかもしれない。
さて、ここから禾生(かせい)駅への下山路に幻のヒゴスミレが咲いているはずだ。
今年も出合えるだろうか・・・。
というわけで下山開始。
目を皿のようにして、地面を舐めるように探しながら歩く。
しかし一向にヒゴスミレが現れる気配がない。
それどころか、去年は沢山発見できたエイザンスミレですら1株もなかった。
う~ん。どうやらもう季節を過ぎてしまったようだ。残念だなあ・・・。
ちなみに上の写真は「リニア見晴台」から見たもの。
じつは右下から正面の山に一直線に向かっているのがリニアモーターカーの実験線なのだ。
実験線は正面の山を突っ切って更に一直線に延びている。何もこんなに山の多い場所に作らなくてもいいように思えるのだが・・・。
11時54分、弥生峠に着いてしまった。ここからは杉山新道を一気に下山するだけだ。
もうどうやら可能性はなさそうだな。残念・・・。
しかし私はここからやっと本気になり、マクロレンズにすげ替えて、腰を据えて他の野の花の撮影を開始したのだから面白い。
それはまた次回に・・・。