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2009年 10月 17日
箱根・明神ヶ岳 野の花撮影記
10月2日に書いた、山梨県は倉岳山(くらたけやま)の、のんびり野の花を撮影しながらの低山歩きにすっかり気をよくした私は、また次なる行き先を考えた。

このあたりで野の花の多い山って何処だろう?久しぶりに奥多摩もいいな。でも遠いからな。
丹沢はどうだろう?あんまり花の多い印象がないなあ・・・。

結局私が選んだのは、箱根の明神ヶ岳(みょうじんがたけ)だった。あそこの周辺も結構野の花が多いんだ。

さて、どんな低山歩きになるかな?




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今回最乗寺というお寺から明神ヶ岳を目指す。
そのため、小田原から大雄山線という電車に乗り換える。ちなみに最乗寺の正式名は大雄山最乗寺だったりする。

大雄山線(だいゆうざんせん)は、小田原市の小田原駅と南足柄市の大雄山駅とを結ぶ伊豆箱根鉄道の電車だ。路線距離9.6km、駅数12駅で江ノ電と同じ単線だ。
今回私はこれに乗って最乗寺に向かうわけだが、元々最乗寺への参詣鉄道として計画されたものだったりする。

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7時24分に小田原駅を出発して、7時46分終点の大雄山駅に到着。
このちょっと風情のある駅舎は是非写しておきたいところだが、女子高生が多くてなかなか写せない。

おじさんが女子高生に向けてカメラを構えていると盗撮と勘違いされかねないからだ。

しょうがなく女子高生が消えてから写した写真がこれだ。苦労します。

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ここからはご覧のバスに乗り換える。

バスターミナルの一番分かりやすいところに最乗寺行きのバス乗り場があり、しかも電車と連動しているところは素晴らしいのだが、乗り換え時間はわずか2~3分しかないため、駅の写真などを写していたらもうギリギリになってしまった。

それにしても朝一のバスのせいか、乗客の数は私一人。そのうちこの時間帯のバスはなくなってしまうのではないかと心配だ。

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大雄山駅からバスに乗ること8分ほどで最乗寺に到着。ここで最乗寺の解説を少し・・・。

禅宗には臨済宗(りんざいしゅう)と曹洞宗(そうとうしゅう)の二つがある。私の地元北鎌倉の禅寺は建長寺にしても円覚寺にしても全て臨済宗だ。一方この最乗寺は曹洞宗(そうとうしゅう)のお寺だ。

臨済宗が幕府の保護の下(もと)に発展していったのに対し、こちらの曹洞宗は地方武士の支持を強く受けていたらしい。
こう書くと幕府の保護を受けていた建長寺や円覚寺の方が大きそうな気がするが、この最乗寺の規模はその2寺院の規模をしのぐほどで、明神ヶ岳の中腹に30余りの堂塔を持つ。

またここは紅葉の名所としても有名だ。
この日はひっそりとしていたが、11月末あたりからは混みだしそうだ。

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道了禅師(どうりょうぜんじ)という僧侶が天狗になって山中に身を隠して寺を守ったという言い伝えが最乗寺に残されている。そのため最乗寺の別名を「道了尊(どうりょうそん)」という。

大きな下駄=天狗の履物ということらしく、この最乗寺には沢山の鉄下駄が奉納されている。これよりももっと大きな鉄下駄もある。

ちなみに下駄は左右一対そろって役割をなすところから、夫婦和合の信仰が生まれた。この場所の下駄の正式名も「和合下駄」というようだ。

で、この鉄下駄のある場所が明神ヶ岳への登山口になっている。
というわけで、靴の紐を締めたあと、鉄下駄の近くで念入りにストレッチを行い、8時15分に登山を開始した。


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最初はこのような杉かヒノキの暗い植林帯が続く。日本の山の一番つまらない点だ。

この植林帯を歩いている最中に、「ドン・ドーン!」という大きな銅鑼(どら)の音が最乗寺の方から聞こえてきた。
お寺から聞こえてくる銅鑼(どら)の音というのは風情がある。ましてこんな山道を一人で歩いているときにはなおさらだ。

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最乗寺から1時間5分が経過。暗い山道が終わり、正面がぱっと明るくなる。「お花畑」の「ススキの原」に到着したのだ。
さて、どんな花と出合えるだろう・・・。

(つづく)

by JunMorosawA | 2009-10-17 18:54 | 山歩き&花 | Comments(0)


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