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2009年 09月 10日
富士登山記 2009 その10
富士宮口新5合目から歩き始め、宝永山を経て無事8合目の赤岩八合館に辿り着いた私。

ところが過去最良の環境の中で、過去最悪の睡眠状態になってしまった私がいた。
はたしてこれで無事に2日目を過ごすことができるのだろうか・・・。




● ご来光

目が覚める。時計を見たら4時47分だった。

っていうか、はたして私はまともに眠れたのだろうか。はっきりいってさっぱり分からない。
4時47分に目が覚めたのではなく、ずっと起きていて、4時47分になって誰かの発する次の言葉を聞いてはっとして起き上がっただけなのかもしれない。

それはこんな言葉だった。

「もう外が明るいよ」

げっ!外が明るいってことは、もうご来光が始まってしまっているってことじゃないか!

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実際、カーテンも雨戸もない窓の外は意外なほど明るかった。
でもまだ5時前なら十分ご来光には間に合うはずだ。

流石にこの旅で初めてユニクロのソフトエアテック・フィールドブルゾンを羽織り、カメラ片手にダッシュで外に出た。

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幸いまだご来光は始まっていなかった。っていうか、また一面に雲海が広がっていて、更にその先にも雲があったため、太陽が顔を出すのが遅れているようだった。

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それにしてもすごい雲海だ。こんな雲海は3度目の富士登山にして初めて見た。

それにしても暖かい。フィールドブルゾン1枚で十分だった。こんなに暖かい朝もまた初めてだ。

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5時5分、やっと東の空が明るくなる。みんなも固唾を飲んでその瞬間を待つ・・・。

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5時7分ぐらいになってやっと雲海の彼方から太陽が顔を出した。
それはなかなかに感動的なご来光だった。

しかし人数が少ないせいか、歓声が上がったり、万歳三唱が起こったり、女性が涙を流したりするわけでもない。静かな静かなご来光だった・・・。

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たかが日の出。たかがご来光。だけど富士山のそれは何かが違っているように思えてならない・・・。

● 朝食

ご来光から戻ってくると、早速朝食タイムになる。

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朝食はご覧のとおり結構シンプルながら、ご飯・みそ汁・お茶はおかわり自由。このあたりが嬉しい。

といってもまだ5時半である。食欲が湧かない。高山病の症状で少し頭痛が出ていたこともあって、ご飯は少なめによそった。これで十分だった。

私の隣には青年とその友達風の外人がいた。青年は英語で外人に箸の使い方を教えていた。

少し2人と仲良くなった私は、「それだけ箸が使えれば十分ですよ」と言うも、直接その外人さんに伝えられないもどかしさがあった。
「英会話ができたら楽しいだろうな」とこんなところで思った。

● 出発

さて、山小屋の出発予定時間は5時半だったのに、もう6時が近づいていた。決して焦る旅ではなかったものの、そろそろ出発せねば。

ちゃんとアルペンハットをかぶり、靴の紐をしっかりと締める。
ちょうどあのワッチキャップをかぶった愛想のいいスタッフが近くにいたんで、

「お世話になりました」

と真から心をこめてお礼を言い、外に出た。

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すると外に、あの青年と外人さんとが立っていた。せっかくなんで山小屋の入口で写真を1枚写してもらった。

ちょっとおっさん顔に写っていてご不満だが、実際おっさんなのだから仕方ないか・・・。

「まだ出られないんですか?」(と私)
「はい。7時出発なんで」(と青年)
「結構のんびりなんですね」
「ええ、彼(と外人を指す)が服をあまり持ってないんで」

なるほど。外人さんの格好はかなり薄着だった。これでは無理だな。

彼らと別れたあと、小屋から少し離れた場所でストレッチを行った。
きのう元気に歩けたのも、退屈だった5合目でたっぷりとストレッチを行ったお陰であると信じていたからだ。

ほとんど寝てないわりにはコンディションはまずまずといったところだった。頭痛もそれほどではない。頑張ろう!

というわけで、2日目の富士登山が始まった・・・。

(つづく・・・)

by JunMorosawA | 2009-09-10 18:06 | 低山歩き | Comments(0)


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