2016年 09月 03日
南アルプス・北岳登山記 2016 その14
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この連載を始める前は 20位以下でしたが、ベスト10 にぎりぎり食い込み始めました。最新の順位はこちら です。

身長は 174cmあるのに体重はわずか 54kg、体脂肪率は何と 6%前後という貧相な体つき。
おまけに過敏性腸症候群気味で年中胃腸の調子がぱっとしないという、虚弱体質の中年男が 2年ぶりに日本アルプスに挑む。

男 「どうしたんだい。電話もせずに急に押しかけるなんて」
女 「何でもないの。ちょっと来ただけ・・・」

そう。今年挑むのは南アルプスの北岳です。
白根御池小屋に向けて高度を稼いでいきます。




レンゲショウマとの出会い

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11時46分、休憩を終えて歩き始める。

この分岐は二俣に向かう大樺沢(おおかんばざわ)沿いの道と、直接白根御池小屋に向かう樹林帯急坂コースとの分岐だ。
距離的には遠くなるものの、一旦二俣まで進んで白根御池小屋に戻るコースを勧める人もいるようだったが、大樺沢沿いの道は帰りに使うつもりだったから、私は右手の直接白根御池小屋に向かうコースを選択した。

ちなみに分岐に立っている指導標には白根御池小屋まで 3時間と書いてあり、誰かがそれを 2時間半に書き直していたっけ(上の写真でもギリギリ見えるでしょう?)。

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5分ほど歩いて珍しい花を発見!

後日調べてみたらキンポウゲ科の多年草、レンゲショウマだった。
日本特産の 1属1種の花だそうで、漢字で書けば「蓮華升麻」。この「蓮華」とはハスの花のことだそうで、長い茎の先にハスの花に似た花をつけることからこの名がついたようだ。

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奥多摩の御嶽神社周辺のそれが有名なことは私も知っていたが、まかさこんなところで出会えるとは思ってもみなかった。

どうやら北岳だとこのあたりでしか見られない花のようで、しかも私が出会ったのはこの 1株だけだったはず。
奇跡に近いよ。よくぞ見落とさなかったものだ。

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一方このあたりからメインカメラの DMC-FZ1000 の調子がおかしくなり始めた。シャッター半押しでフォーカスロックしてもフォーカスがロックされないんだ。

設定を見直しても、ちっとも分からなかった。
壊れたのかな。焦るな。初日でこれは痛いよ。

生きている実感

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岩がゴロゴロとした歩きにくい道が続く。かなりの急登だ。岩を包み込むように根を張っているのはコメツガだろうか。樹木にも少し詳しくなりたいね。

そんな中、結構下ってくる登山者も多い。
あるとき中学生ぐらいの男の子が体の前後にザックを背負って降りてきた。

「2つ、持ってんだ」と私は声をかける。

続いてザックなしのお母さんが現れた。「ああ、さっきの、(あなたの)息子さんだ」と言うと「そう。親孝行もので」。

「こんにちは」という、山では定番の挨拶以外では、これが最初のコミュニケーションだな。

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急登を下ってくる登山者が本当に予想以上に多い。

あるとき、結構な大きさの石が目の前に落ちてきたことがあった。握りこぶしより多少は小さい程度の「大きさ」だ。

「キレットでもなんでもない場所でもこういうことがあるんだ」と少し緊張した。

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ワイルドな道が続く。時にはこんなものも出現します。

12時10分(広河原から歩くこと53分後)、先程の休憩からまだ 24分しか経っていないのに、再び休憩。

もう結構な汗をかきはじめていた。手帳には「汗。つらい」の文字が。
しかし一方で手帳に実に貴重な、そして意外なことを書いている。

       でも生きている実感はある

以前読売新聞の夕刊に、ノンフィクション作家の角幡唯介(かくはたゆうすけ)さんへのインタビューが載っていた。
その中で角幡さんはこう述べている。

ジョーゼフ・キャンベルというアメリカの神話学者は、人間が本当に求めているのは、生きている意味ではなく、生きているという経験だと書いていますが、その通りだと思います。
インターネットの発達で体を使い、知るという経験が減りました。
多くの人が「生きている経験がほしい」と無意識に感じているのでは?
それが体を使っての富士登山やマラソンブームの一因ではないかと思います。


まさに私も「生きている経験」や「生きている実感」ほしさに山に登っている。 そしてそれを感じ始めた私・・・。

もう大丈夫・・・っていう気がします・・・。

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by JunMorosawA | 2016-09-03 18:02 | 北アルプスなど高山 | Comments(0)


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