2013年 10月 20日
北アルプス・双六岳登山記 その41
長らく連載してきた双六岳登山記もいよいよフィナーレが近づいてきました。
多い日には 300人以上の方にご訪問いただきました。またブログ村の登山カテゴリーにおいて、一時3位を獲得させていただきました(ちなみに 現在の順位はこちら です)。

ここまで読んで下さった方々に心から感謝したいと思います。
あと数話だけお付き合いください。

8月27日、新穂高温泉の近くにあるわさび平小屋で一晩を過ごした私は、翌8月28日双六岳登頂を果たし、双六小屋に一泊。
8月29日、双六岳に行くのをあきらめて弓折乗越から下山。わさび平小屋が近づいていた。



わさび平小屋にて

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10時26分(双六小屋から歩き始めること 4時間41分後)2日前にお世話になったわさび平小屋に到着。
新穂高温泉ロープウェイバス停までは 1時間ほどの林道歩きを残すのみだから、もうこれでほぼ今回の山行(さんこう)も終えたようなものだ。

このときの手帳の記述・・・。

       やっぱ疲れているね
       左ひざがやっぱ変だし
       お腹も張っている

我ながら、達成感のようなものがまるで感じられない文章だなあ。
流石にこのときは結構まいっていたようだ。

まあ前日に標高差 1460mを一気に登り、今日は逆に一気に下ってきたのだから、無理もないか。
この 2日間、普段では考えられない運動をこなしたのだから・・・。

体だけではない。精神の方も微妙な状態の中にいた。
山を下りてきてしまったことに対する後悔の念がどうしてもあったからだ。

だってあとに残されている旅は、「日常に戻るための旅」だもの・・・。

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私と同じように山から下りてきた女性陣がご覧の果物を見て、「これが楽しみでここまで来たのよね~」とはしゃいでいた。

「うらやましいなあ」と思った。こういうとき、単独男はちょっとつらいね・・・。

さて、新穂高温泉ロープウェイバス停まではあと 1時間。一方そこからバスが出発するのは 1時間17分後とはいえ、そろそろ出発するか・・・。

意外にも充実していた林道歩き

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とうわけで 10時38分、わさび平小屋での休憩を終えて歩き始める。

私のように下山する人もあれば、正面からはこうしてこれから登る人もやってくる。

明日から天候は下り坂になるのだから、大変だろう。その点今年の私は恵まれている。
多少は北アルプスの神様に愛されたってところかな?

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10時49分、笠新道登山口を過ぎる。

本来の予定ではこの日は笠ヶ岳まで進み、笠ヶ岳山荘で一泊したのち、笠新道を使って翌日ここに下りてくるはずだった。
またちょっぴり後悔の念が湧き上がる・・・。

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ふと後ろを振り返ってみたら、もうこれだけの雲が発生していた。
この日の予報は「晴れのち曇り」。まさに予報どおりってところか・・・。

ひょっとしたら今稜線上を歩いている人は、雲の中かもしれない・・・。

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例の「一切の責任を負いかねます橋」を過ぎると蒲田川が進行方向右に移動する。

このあたりで不思議とまたモスラの歌が浮かんできた。

      モスラ~や、モスラ~。モスラ~や、モスラ~
      やっぱり、ぱりぱりぱりぱり、ぱりぱり、モスラ~
      ずんずん。ずんずんずんずん、ずっくり、モスラ~

これは下手すると一生忘れられない曲(北アルプスのテーマソング)になるかもしれない。録音しておいてよかった(?)。

にしても、 ICレコーダーは今回大いに役立ったな。
熊を見ていた外人、一緒に双六小屋を過ごした男たち、そしてこのモスラの歌・・・結構思い出が詰まっています。また次の山行のときにもお供させたい。

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で、また赤い実が目立ちだす。
ひょっとしてこいつ、行きにも写した個体だったりして?案外こういう偶然ってあるんだよね。

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おっと。これはちょっと滑稽な感じがあってよいですなあ。何の実だろう?

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そして今度は黄色に花に戯れている蝶々を発見。ズームレンズの望遠側で(いわばテレマクロで)頑張って写してみる。

あとで調べてみたところツマジロウラジャノメのようだ。「北アルプスの崖地などではよく見るチョウだが、その他の地域では数が少ない」ということだからほぼ間違ないないと思います!(違ってたら指摘してくださいね)

嬉しいじゃないですか!北アルプスならではの蝶と出会えたなんて!
本当にこういうちょっとした出会いが癒してくれるんだよなあ・・・。

というわけで、何だかんだ、最後の 1時間の、本来ならつまらないはずの林道歩きを、私は結構楽しんでいたようだった・・・。

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11時25分(双六小屋から歩き始めること 5時間40分後)、ふと右後方を振り返って写した写真がこれ。

この写真が今回の旅において、最後の「北アルプスを写した写真」となった・・・。

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11時42分(双六小屋から歩き始めることほぼ 6時間後)、蒲田川の先にロープウェイの駅が見えてきた。
いよいよ今回の旅も終わりが近い・・・。


       一日早く下山してしまったこと
       一度も夕景やご来光を写せなかったこと
       特に劇的な出来事があったわけではないこと
       高山植物のピークではなかったこと


いろいろなことが重なって、今年はちょっと地味な山行になってしまった。3年続いた北アルプス登山の中で、やはり今回が一番地味と言わざるを得ないだろう。

でもいざこうして書き起こしてみると、案外いろいろなことがあったことに驚く。

そして何とか自分の体力が最後まで持ってくれたことに安心していた。
どうやら来年もまた北アルプスに戻ってこれそうだ。

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というわけで 11時55分、平湯バスターミナル行きのバスに乗り込む。
やれやれ。何だか妙に混雑していやがる。「日常に戻るための旅」も大変そうだ・・・。




グッバイ、北アルプス。また来年もきっと来るからな・・・




さて、あと残されているのは「日常に戻るための地味な旅」だけですが、せっかくなんで、もう 1話だけ、お付き合いください・・・。

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by JunMorosawA | 2013-10-20 06:32 | 北アルプスなど高山 | Comments(2)
Commented by 山バカ夫婦 at 2013-10-20 13:41 x
お疲れさんでした。旅の始めからJUNさんと私の記億をなぞりな
がら歩いてきました。笠ヶ岳はまた、今度にしたら良いですよ。
でも、来年になると行きたい山が現われるんですよね。
今度は笠新道を登りに使うのも面白いかも・・・・
Commented by JunMorosawA at 2013-10-20 17:20
山バカ夫婦さん、こんにちは。

> でも、来年になると行きたい山が現われるんですよね。

全く未定ですけれど、今年が少し楽過ぎたから(情けなかったから)、来年は日本で2番目に高い北岳を目指したいと漠然と思っています。
それも、北岳なら1泊2日で行けるのでしょうが、あえて2泊3日で・・・。


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