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2013年 10月 09日
北アルプス・双六岳登山記 その30
ブログ村の登山・カテゴリーに参加しています。ここのところずっと 3位をキープさせていただいています。
これは双六岳登山記を連載している間だけのつかの間の栄光(?)です。連載が終わったらすと~んと 10位以下に落ちることと思われます。

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それにつけても 1位の「ゆら~りキャンプと日々のこと」も「おさるのもおすけ日記」も登山をやっている方なら知らない人はいないくらいの超有名ブログ。
それに比べてこっちは、私のことなど知っている人など誰もないという超無名ブログ。それが 3位につけているというのは、光栄なことです。

気になる 最新の順位はこちら です。10月8日朝の時点では、ご覧のように週間INで「おさるのもおすけ日記」さんに肉薄してたのだが・・・。

さて、虚弱体質男でも、今年も目指すぞ、北アルプス!

身長は 174cmあるのに体重はわずか 54kg、体脂肪率は何と 6%前後という貧相な体つき。
おまけに過敏性腸症候群気味で年中胃腸の調子がぱっとしないという、どーしようもない虚弱体質の中年男が北アルプスは双六岳(+笠ヶ岳?)に挑む。

新穂高温泉から 1時間20分ほどの場所にある山小屋「わさび平小屋」で一晩を過ごした私は、8月28日、遂に登山を開始。
鏡平、弓折乗越を経て双六小屋に到着した私は、双六岳を目指した。



双六岳山頂にて

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2時38分、やっと双六岳山頂に到着。山頂には人っ子一人いなかった。

終わって見れば小屋から 58分で時間どおりだったわけだが、麓のわさび平小屋からここまで歩きどおしだったせいか、かなりこたえた。

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「ヤマケイ・アルペンガイド」の記述はこうだ。

広い山頂からは槍・穂高連峰をはじめ飛弾の名峰笠ヶ岳、美しいカール地形を持つ黒部五郎岳、水晶岳、鷲羽岳など、360度の展望が楽しめる

あらためて書くまでなく、この日は、何も楽しめなかったことは言うまでもない。

それでもそこそこの充実感が私にはあった。
山頂を極めたという達成感だろう。

さて、双六岳(すごろくだけ)は、長野県大町市と岐阜県高山市にまたがる飛騨山脈の裏銀座の主稜線に位置する標高2,860mの山だ。

深田久弥の「日本百名山」にこそ選定されてないものの、田中澄江の「花の百名山」に選定されている「花の山」でもある。

またこの山は北アルプス飛騨側の中心的な場所にあり、北には 三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)を経て黒部五郎岳や裏銀座への道が延び、西には笠ヶ岳への稜線が連なる。

北アルプス南部から双六岳を経由して、薬師岳、立山など北部に向かう縦走者も多く、北アルプス登山の要衝となっている・・・。

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2時46分、下山開始。ガイドのお薦めどおり、帰りは楽なお中道(ちゅうどう)コースを取ることにした。
それには最初三俣蓮華岳に向かうことになる。

しかしその道に踏み込んで、わずか数分で、私は引き返す決心をした。
ゴロゴロと大きな石があるばかりで、登山道を示す丸いマークなどが一見見当たらないことに不安を覚えたのだ。

それでなくても誰も歩いてない。もし間違ってお中道の分岐を見落としたら三俣蓮華岳の方に向かってしまう(実際古いガイドには「分岐にしっかりとした導標がない」と書いてある)。

それにはまたあの両手両足を使わないとしんどい道を、しかも今度は下らなければならないわけだけれども、この際もうどうしようもない。

そしてこの判断は正しかったと今思っています。濃いガスもあったし、本当に遭難していたかもしれないのだから・・・。

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というわけで元来た道を戻る。

相変わらずガスでほとんど何も見えなかった。それこそ今度こそ正面に槍・穂高連峰が控えているはずなのに・・・。

こんな天候の下(もと)、誰も歩いている人がいなかったりすると、寂しいね。怖いね。
これはきっと、本能的なものだろうなあ・・・。

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でも北アルプスの神様も、そんなに冷血じゃなかった。

こんな出会いを私に与えてくれた。
高山植物のトウヤクリンドウだ。

トウヤクリンドウは高山帯の稜線付近の岩礫地(がんれきち)などの厳しい環境に生える高山植物で、しかも最も遅く咲く花のうちの一つだ。

だからこそ、8月下旬のこの日、出会えたというわけ。
嬉しいじゃありませんか。

ちなみに、花が開いてないから蕾なのかな、とこのとき思っていたのだけれども、「高山植物ハンディ図鑑」によると、晴れてないと閉じてしまうんだそうだ。
東慶寺あたりの普通のリンドウと一緒だな・・・。

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そしてこれはエゾシオガマかなあ。

他にもヨツバシオガマ、ハクサンイチゲなどが咲いていましたよ。

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おっと!今度は野鳥だ!

まあ地味な鳥に見えるかもしれないけれども、スズメじゃありません。富士山でも出会ったことのあるイワヒバリ(岩雲雀)だ。

イワヒバリはスズメ目イワヒバリ科に属する鳥で確かに一見スズメによく似ているが、スズメが全長約14.5cmであるのに対し、こちらは18cmあるから、一回り大きい。それに嘴(くちばし)が細いのが特徴だ。
本州中部の高山で山頂近くの岩場に生息するというのだから、条件にぴったりです。

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ほら、こんなふうに(恐らく)ツガイでいてね、しばらく私と遊んでくれました。

ま、雷鳥でない点が、残念なところではあるけれどね・・・。
そういえば今年でこれで 3度北アルプスに来ているのに、まだ一度も出会ってないなあ、雷鳥君。

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そのうちほんの少しだけガスが晴れてきた。
こういう見せ方もなかなかのものじゃないか、双六岳君・・・。

そういえば、あの苦手な岩場、いつの間にか終わっていたな。多分冷静に考えればたいして怖い場所ではないのだろう。

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最後にご覧の親子ほど歳が離れていそうなカップル(?)との出会いがあった。

特に女性の方は気さくな人で(そしてちょっと魅力的な人で)、いろいろと会話をした。

すると彼らは弓折乗越のあたりで雷鳥に遭遇したというのだ。男性の方がその写真まで見せてくれた。

ええ!あそこにいたのかあ!それは悔しいなあ!
会いたかった・・・。

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3時半、山小屋が目前に迫ってくる。

やれやれ。また苦手な儀式が待っているのか・・・。

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by JunMorosawA | 2013-10-09 07:46 | 北アルプスなど高山 | Comments(2)
Commented by 山バカ夫婦 at 2013-10-09 22:31 x
我々は双六岳には登れませんでした。翌日、登る予定でしたが
翌朝、暴風雨・・・
双六岳山頂からは槍や穂高の山々が綺麗に見えてるショットが
雑誌に載ってますが、天気には勝てませんね。
Commented by JunMorosawA at 2013-10-10 07:47
山バカ夫婦さん、こんにちは。

> 我々は双六岳には登れませんでした。翌日、登る予定でしたが翌朝、暴風雨・・・

それは残念でしたね。考えてみると私はまだアルプスでレインウェアを着て雨の中を歩く・・・というのをしたことがないです。
恵まれているんだろうなあ・・・。

> 双六岳山頂からは槍や穂高の山々が綺麗に見えてるショットが
> 雑誌に載ってますが、天気には勝てませんね。

本当ですね。だから今回、本当の絶景には出会えなかった気もします。


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