2011年 09月 29日
「ただ淡々と歩いているのが楽しい」と感じられる登山やハイキングというのは幸せだ。そしてこういう登山っていうのは疲れ知らずだ。 一方嫌々(?)歩いている登山は本当につらい。いや、登山だけじゃなくて、例えば近所のコンビニまで行くのだって、嫌々だとちっとも「歩く楽しさ」など感じない。ただただ「だるい」と思っているだけだ。 北アルプスの常念山脈を縦走(といっても 2泊 3日だが)してから、なかなか私の気持ちは山に向かわなかった。 約 1ヶ月経ってからやっと出かけた山・・・それは箱根の駒ヶ岳だった。 これが何だか、つらくてなあ・・・。 9月12日の 8時ちょうど、私はケーブルカーとロープウェイの駅を兼ねた早雲山駅に立っていた。ここから神山を経て駒ヶ岳に向かおうってわけ。 ご覧の通り快晴。すでに標高も700mほどあるせいか、直射日光は厳しいものの、結構涼しさも感じられた。 まあ要するに、山歩きをするには最適な条件ってところですね。 しかしここまで来ても、全く旅情など感じないし、テンションも低いままだった。 無理もないのかなあ。 1998年にハイキング程度の登山を始めてから早(はや)13年。一番多い年だと年間 40回程も山に登っている。 そのほとんど全てが、家から 3時間以内で行ける低山を日帰りで登るというものだったから、どうしても行き先に限界が来てしまう。 もうどの山に登っても「初めての山」ではなくなってしまっている。 こうなってくると、どうしても新鮮味が薄れてしまう・・・。 新鮮味のない山歩きは・・・つらいだけだったりするんだよなあ・・・。 そうも言ってられないんで、8時10分頃登山開始。 最初は暗い樹林帯。ほぼ無風のせいか蒸していて、つらい。すぐに暑くなってきた。 8時40分に最初の休憩を取ったときには、もうすでに滝のような汗をかいていた。 そうかあ。北アルプスと違って、ここは暑いんだった。しくじったな。ちょっと水の量が足りないかもしれない・・・。 歩いていると蜘蛛の巣が次々に襲ってくる。私がこの日最初のハイカーである証拠だ。 しょうがなく細い棒を振り回していたが、これがまた疲労につながる。 なんだろうなあ、ちっとも楽しくないぞ。 ・・・なんていう調子で歩いていたのだから、「ただ淡々と歩いているのが楽しい」なんていう状態になるわけがなかった・・・。 9時10分、左右が笹の道になる。このあたりから硫黄(いおう)の臭いが漂ってくる。例の大涌谷(おおわくだに)からのものだ。 というわけでこのあたりから、右下にチラチラと大涌谷の方が見えてくるはずなのに、いつの間にかガスが発生していて、さっぱりだった。 う~む。これではますますテンションが下がるではないか・・・。 10時20分、神山(かみやま)山頂に到着。 山頂とは書いたけれど、ご覧のようにちょっとした広場になっているだけで、展望もないし、ちっとも「山頂」という感じがしない。 しかしこれでも標高 1438mで、箱根の最高峰なのだ。あの金時山ですら 1213m、これから目指す駒ヶ岳だって1169mなのだから。 とはいえここに立つのも 4度目。「すごいところに来た」というような感慨などあろうはずもない。 というわけで、ここまで来てもローテンションのままだった・・・。 11時10分、まるで高原のような駒ヶ岳山頂に到着。芦ノ湖の方からロープウェーで簡単に上がってこれるため、ここには一般観光客の姿が沢山ある(ちなみに正面に見えるのがロープウェーの駅です)。 せっかく 3時間もかけて登ってきた山に、一般観光客がごろごろいる・・・これがまたテンションを下げますね。 おまけにいつのまにか曇っているし・・・。 とはいえ、ロープウェーの駅に近寄っていったときに突然現れた芦ノ湖を見たときには流石に少し感激した(是非写真をクリックして大きな画像でご覧になってください)。 しかもその先に見えている海は普段見ることのない駿河湾と来ている。 でもそれだけだな。 最早、歩いて下山する気力もなくなってしまった私は、ご覧のロープウェーに乗って山を下りてしまった。ちなみに片道 620円です。 というわけで、何とも無気力な登山になってしまった。 そしてこういう山行(さんこう)は絶対に疲れる。ぐったりと疲れる。 北アルプスの常念山脈縦走を終えて横浜に戻ってきたとき、私はえらく元気だった。 だから横浜から立ちん坊さんになってしまったときも全然苦痛ではなく、ザックを下ろすでもなくそのまま車内で立っていた。 それがこの日は電車の中でぐったりとしていた。全身を疲労が包み込んでいた。 こういうものなのだ。疲労っていうのは本当に面白い。 あの一ノ沢登山口から常念乗越(じょうねんのっこし)までの 標高差 1200m、5時間の登山は本当に苦しかった。でも今ではあれが懐かしくてたまらない。 「北アルプスを縦走するなんて、すごいですねえ」と時々言われる。 でもこれは違う。 本人が「すごい山」だと思っている山は疲れないのだ。本人が「どうでもいい山」だと思っている山こそ疲れるのだ。 だから、下手をすると北アルプス縦走よりも、鎌倉の天園あたりのコースの方がつらい , 疲れる・・・こういうことが私の場合しばしば起こる。 登山とはそういうものなのだ・・・。 ↓ 自然に興味のある方、このブログを気に入っていただけた方は、こちらをクリックしてください。 にほんブログ村
by JunMorosawA
| 2011-09-29 07:42
| 低山歩き
|
Comments(2)
私は9歳の時から山に親しんでいます。途中、中断はありますが。もうガイドブックの山の大半は登っていますが。私の自論で「山は裏切らない」。計画をたてこんな山かな?と想像し、行ってみるとはるかに越える
喜びを感じてます。近くの高尾山など、100回を越えているのでは・・それでも楽しい(登っているときは辛いけど)。多分、私自身こだわりをもって登っているからだと思う。たとえばここに石仏があり、ここが昔の物流の峠、ここにしかいない小動物・昆虫・花など・・ルートを変え季節を変えると山のよさが分るかも。JUNさんも楽しんでください。 爺さんの独り言だと聞き流してください。
0
Commented
by
JunMorosawA at 2011-09-30 08:46
山バカ夫婦さん、こんにちは。
> ルートを変え季節を変えると山のよさが分るかも。JUNさんも楽しんでください。 おっしゃるとおりなんですよねえ。私も野の花は好きだから、そういう発見のある登山は好きです。 この駒ヶ岳のときには花との出会いもなかったせいで余計印象が悪いのかもしれません。 っていうか、北アルプスの印象が強烈過ぎて、立ち直れない(?)というのが一番大きいのかも・・・。 |
アバウト
カレンダー
カテゴリ
全体 地元(鎌倉)の話 鎌倉&花 低山歩き 山歩き&花 スナップ アクアリウム 旅 街歩き・レジャー施設 ギャラリー 北アルプスなど高山 閑話・その他 健康・病気 スマホ・アプリ カメラ・写真 未分類 タグ
低山歩き(783)
北アルプスなど高山(400) 丹沢とその周辺(272) 高尾山とその周辺(245) 伊豆・箱根(238) 野の花(195) 鎌倉(190) 中央線沿線の山(190) 奥多摩・奥武蔵(136) 庭の花(108) 富士山とその周辺(98) 湘南・三浦半島・逗子(88) 初詣(62) 街歩き・レジャー施設(57) 動物・鳥(29) 閑話・その他(24) 地元(鎌倉)の話(24) 動物・昆虫・鳥(24) スマホ・アプリ(21) 健康・病気(20) 旅(18) アクアリウム(18) カメラ・写真(11) ギャラリー(1) ブックマーク
お気に入りブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
検索
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||