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2011年 09月 02日
北アルプス常念山脈縦走記 その7
身長は 174cmあるのに体重はわずか 55kgの貧相な体つき。
おまけに過敏性腸症候群気味で年中胃腸の調子がぱっとしないという、虚弱体質の中年男が遂に北アルプスの山に挑む。

今回は遂に起点になる駅、穂高駅を目指します。



● 穂高駅を目指す

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2時間10分の乗車を終え、9時40分、遂に松本駅に到着。
高度計機能付きの腕時計で高度を確認してみたら、もう 615mあった。すでに高尾山よりも高いんだな。

大糸線がやってくるのは 6番ホームということで、早速そちらに向かう。通路には天井から提灯がぶら下がっていて、観光地っぽい風情があった。

しかしこの写真、手ブレ(ピンボケ?)です。人が写りこんでいるから、ちょうどいいか・・・。

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これが大糸線。もうちょっとローカル線っぽい雰囲気を期待していたのに、わりと普通っぽいのね。

ホームにはすでにそこそこの人が待っていた。「これは座れない可能性もあるな。まあ乗車時間は24分だからいいか」と覚悟していたのだが、ぎりぎり座れました。

というわけで9時56分、大糸線信濃大町行が出発。

周囲にはやはり大きなザックを背負っている、あるいは床に置いている人たちが多かった。
夏山の季節は短いから、どうしても一時(いっとき)に集中してしまうのだろう。これは山小屋も混むことを覚悟しないとな・・・。

大糸線は、長野県松本市の松本駅から信濃大町を経て新潟県糸魚川(いといがわ)市の糸魚川駅に至るJR線だ。

大糸線は、いわゆる安曇野(あずみの)と呼ばれる地域を走っていく。「安曇野」を広辞苑で引くとこう出る。

長野県中部、松本盆地の北半部、梓川以北の通称。稲作、リンゴ・わさび栽培などで知られる。安曇平。

安曇野は「日本のふるさとの原風景」とまで呼ばれている。その日本のふるさとの原風景の中を走っていく大糸線が絵にならないわけがない。
そして田園風景の向こうに見えるはこれから向かう北アルプスの山々なのだから、もうこれ以上何を望むというのだ。

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実際私も席から立ち上がってドアの窓越しにこんな感じの写真を写したりしていた(まあ見事に斜めってるけれども)。

しかし、この期に及んでも、まだ私のテンションはそれほど高くなっていなかった。
手帳に次の文字があるのが何よりの証拠。

        そんなにテンションUPせず

確かに去年の御嶽山のときにもなかなかエンジンがかからなかった部分はあった。
でももうそろそろいいんじゃないか?ここまで来てもまだ目が覚めないのかい?

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私の目が覚めなかろうと何だろうと、電車は勝手に進んでいく。
というわけで 10時22分、遂に穂高(ほたか)駅に到着。

NHK の「中高年のための登山学・日本百名山をめざす2」で岩崎元郎さんや山内賢さんが槍ヶ岳を目指したときに起点になった駅が、まさにこの穂高駅だった。

その番組を見ていたのは、1998年。実に今から 13年も前のことだ。
そう、私は 13年を経て、憧れの駅に立ったのだ。

そういえばその 1998年っていうのは、例の「関東周辺ハイキング」を買った年でもある。ハイキングを始めた年に NHK で「日本百名山をめざす」という番組が放映されていたなんて、ちょっと運命的なものを感じる。

で、しかも、最初に登ろうとしている山は日本百名山の一つに数えられている山なのだから・・・。

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これが穂高駅の写真。
ローカル線の駅ってことで、決して大きな駅ではない。立て直したのか、やや新し過ぎる嫌いもあった。

でもちゃんと屋根が瓦屋根になっている木造の建物である点に風情を感じると共に、「北アルプスの玄関口の一つ」として金をかけて作った駅舎であることも感じさせますね。

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しかし暑い!例えば「避暑地の駅に降り立った」というような感じはかけらもない。まさに炎天下って感じだった。この写真からもそれ伝わるんじゃないかと思う。

さて、登山口の一ノ沢にはバスは通じてないからタクシーを利用しなくてはならない。料金は5,000円ぐらいだという。1人だとしんどいところだが、こういうとき連れがいるというのは大きい。

というわけでタクシーを捕まえるのが最初の関門だったわけだけれども、目の前にご覧のようにタクシー乗り場がちゃんとあり、何台もタクシーが停まっていた。
最初の関門、いきなりのクリアである。

● 登山口へ

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車窓から


10時27分、タクシーが走り出す。「日本のふるさとの原風景」と言われる安曇野の田園風景とアルプスの山々の組み合わせは本当に最高だ。こんなところに住んでみたいなあ。

運転手さんは特に話好きって感じではなかったけれども、こちらから話しかけると必要なことは喋ってくれた。
それによると、お盆が近づいているせいか、やはりきのう今日は急に登山客の数が増えているという。それでも一ノ沢周辺の駐車場はまだ一杯にはなってないってことだった。

街を抜けてどんどん山の中に入っていく。「案外奥深いな」と思っていた。
一人だったとしたら、ぽつりと山奥に置いていかれることになるわけだ。相当心細いことだろう。
このあたりにも単独でないことの利点があるね。

もっとも一方Y氏はどう思っていたことだろう。「こんなに山深いところを歩くの?」とビビっていたかもしれない。

徐々に道端に駐車している自家用車の姿が目立ってくる。運転手さんが予想していた数よりも多いそうだ。
それでもまだ駐車スペースが所々空いていた。きっと土日やお盆休みの間はえらいことになるのだろうなあ・・・。

さて、いよいよ登山口の一ノ沢も近い。
どうだい、少しは目が覚めてきたかい、俺・・・。

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by JunMorosawA | 2011-09-02 17:44 | 低山歩き | Comments(0)


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