人気ブログランキング | 話題のタグを見る
2010年 10月 02日
木曽の御嶽山登山記 その16
富士山以外高い山に登ったことのない私が、この夏単独で 3000m 級の山である木曽の御嶽山(おんたけさん)に登ることを決意。

初日に無事剣ヶ峰登頂を果たし、山小屋「二の池本館」で一泊。
翌日は池巡りをすべく、三ノ池の方に向かっていったのであった。



● 神秘の三ノ池を見下ろしながら・・・

木曽の御嶽山登山記 その16_c0196928_18202389.jpg

三ノ池乗越(のっこし)から右下を覗いて私は驚愕した。

何だ、この神々しい池は!!!

朝日を浴びた三ノ池は、何処か俗化された池っぽかった二ノ池とはまるで違い、じつに神々しく見えたのだ。

それもそのはず。三ノ池は御嶽山最大の池であるばかりでなく、日本の高山湖の中でも最も深い湖(最大深度約13m)として知られ、コバルトブルーの水色の美しさは日本アルプスに数多く見られる高山湖の中でも最も美しいと賞されているのだそうだ。

木曽の御嶽山登山記 その16_c0196928_182050100.jpg

さて、しばらくはその三ノ池に下りてゆかねばならぬ。
しかも土砂崩れがどうのこうのという注意書きがある始末。どうしたものだろう。

すると私の目に「この先50m右へ迂回路あり」という案内板が目に入った。
そこでそちらから下りてみることにした。上の道がそれだ。

だけどこの道も相当怖い。その証拠にロープが張られている箇所が多い。いつもは下げっぱなしにしているカメラを仕舞わざるを得ないところもあった。

ま、お陰で目が覚めたが・・・。

木曽の御嶽山登山記 その16_c0196928_1821456.jpg

6時42分、三ノ池へと完全に下山してしまう道と、五の池小屋に向かう道への分岐点に差し掛かった。
私はちょっとだけ迷った。

というのも、ここまでかかった時間が、ちょうど計画表どおりの時間だったからだ。

ということは、このまま五の池小屋から継子(ままこ)岳に登って四ノ池→三ノ池と向かうと後半かなり時間がぎりぎりになってしまう恐れがある。
継子岳は思い切ってカットしてしまった方がいいのでは。
もう前日のようなあわただしい山歩きはしたくない・・・。

だけどそうしてしまうと「高山植物の女王」の群生地や、ガイドに「お花畑」と記されている四ノ池に寄れなくなってしまう。
それじゃつまらない。

大丈夫。まだ間に合うさ。進もうよ・・・。

結局私は迷いを吹っ切り、継子岳方面に進む決心をした。

木曽の御嶽山登山記 その16_c0196928_18212096.jpg

6時50分、左手に建物が見えてきた。五の池小屋だ。

今から思うと、ということはその小屋の近くに五ノ池があるはずなのだが、全く確認できなかった。
このあたり、心と時間にやや余裕がなかった証しかもしれない。

ところで上の写真、正面奥に少し小高くなっている場所があるのが見えると思う。
そこが飛騨頂上だった。

濁河(にごりご)温泉から登る小坂(おさか)口登山道の終着点になっている場所だ。
だから飛騨頂上には御嶽神社飛騨里宮の奥社が置かれている。

しかしやはり心と時間に余裕がなかったのか、それらを示す写真が残ってなかったりする。

● 継子岳を目指す

木曽の御嶽山登山記 その16_c0196928_18213262.jpg

飛騨頂上を越えて継子(ままこ)岳を目指す。すると途中でちょっと異様な感じの道に差し掛かる。

1枚1枚の岩が少し赤茶けていて、しかも人工的に割ったかのように薄いのが上の写真から分かるだろうか。

どうやらここいらが「針の山」らしい。そしてこの独特な平べったい石は鉄平石と呼ばれる石らしい。

こんな石を自然が作ったなんてね。すごいよなあ。
まったくすごいところだぜ、ここは・・・。

木曽の御嶽山登山記 その16_c0196928_18214234.jpg

太陽を正面から浴びながら淡々とガレた道を進んでいく。どうやらあそこが継子岳らしい・・・。

木曽の御嶽山登山記 その16_c0196928_18215617.jpg

7時17分、継子(ままこ)岳山頂に到着。

継子岳(ままこだけ)は日和田(ひわだ)口の最終到着地点で、日和田富士とも呼ばれている。標高は2859m。南北に広い御嶽山の一番北に位置する山でもある。

そして私にとっての本日の最終到着地点でもあった。
そう。今までは四ノ池や三ノ池の西側の尾根を歩いてきた。今度はそれが東側の尾根に変わるだけで、基本的にはここからUターンする形だからだ。

ここへの本来の到着予定時間は7時30分だったから、少し時間が稼げている。だからのんびりすることにした。

木曽の御嶽山登山記 その16_c0196928_1822990.jpg

ここも360度の大パノラマが広がり、すごい!思わずソニーの DSC-TX7 のスイングパノラマで写したのが上の写真だ(是非クリックして大きな画像でどうぞ)。
それにしても、カメラを横にさっと振るだけでこれだけの写真が自動的に撮れてしまうのだから便利な時代になったものだ。

カメラはともかく私の方はどうだったかといと、多少は高山病から来る気持ち悪さがあったし、少し息も上がっていた。

それでも私は手帳にこう書いている。

       まずまず元気だ

そう。私は継子岳からの大展望を満喫していたはずだ。だから多少の体調の悪さなど何処かに吹っ飛んでしまっていたのだ。

こっちまで回ってきて、よかったじゃん!

さて、継子岳が本日の最終到着地点と書いたが、私の旅はまだまだ終わっていない。このあと更なる大絶景が私を待っていた。
それと「高山植物の女王」との出合いも・・・。

by JunMorosawA | 2010-10-02 18:22 | 低山歩き | Comments(0)


<< 木曽の御嶽山登山記 その17      木曽の御嶽山登山記 その15 >>