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2010年 09月 08日
木曽の御嶽山登山記 その4
富士山以外高い山に登ったことのない私が木曽の御嶽山(おんたけさん)に登ることを思い立つ。

体調(胃腸)の悪さから、前日になっても敢行するかどうか迷っていたほどだったのだが、早朝5時39分に北鎌倉駅を出発し、10時30分、とうとう木曽福島駅に到着したのだった。



● 木曽福島駅に降り立つ

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塩尻駅はつまらない駅だったけれども(←迷ったから印象が悪いのかもしれない)、木曽福島駅は観光地の駅っぽい風情に包まれたなかなかによい駅だった。

空はほぼ紺碧の青空。いいではないか!
何かやっと旅情を感じてきたぞ。

ただ、カシオの高度計機能付きの腕時計によるともう標高が 850m はあるはずなのに、全然涼しくはなかったのが意外だった。

さて、駅前にはほんのわずかだけ駅前広場っぽいバスやタクシーの乗車スペースがあり、駅の向こう側には、これまた観光地っぽい土産物屋や食事処が何軒か並んでいた。

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そのうちの1軒がご覧の「木曽町観光情報センター」になっていて、そこに「バス乗車券うりば」の文字があった。

ここからおよそ標高1570mにある「御岳ロープウェイ」の乗り場(鹿ノ瀬駅)までバスに乗っていかなければならない。

普通片道だけだとバスが1,500円、ロープウェイが1,300円する。つまり合計で2,800円だ。これの往復なら5,600円になるところが、バスとロープウェイの往復乗車券なら1,600円引きの4,000円になる、という情報を賢くもつかんでいた私は、早速そいつをゲットすることにした。

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これです。

切符は3枚綴りになっていて、そのうちの2枚がバスの行き帰りの乗車券で、1枚がロープウェイの乗車引き換え券になっているって形だった(ちなみにバスの乗車券は3日間有効だった)。

なるほど。そういう仕組みか。
これでもうバスとロープウェイに関しては現金が必要なくなるね。

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10時35分ぐらいにバスがやってきたんで、わっさわっさと乗り込む。

もちろん重そうなリュックを背負ったハイカーの人もいたが、もっと軽装の人たちもいた。
ああいう人たちは何処まで行くのだろう。ロープウェイの上の駅である飯森高原駅まで行っておしまいなのかな?

いずれにしても、他のハイカーの姿を見て、やっと私のテンションもアップしてきた。

若干嘔吐感を感じていなくもなかったが、塩尻駅のそれと比べればどおってことはない。
小学生のときには大の苦手だったバスだけれど、ま、大丈夫でしょう。

● バスが走る

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10時41分、バスが出発する。乗客の数は15人ほどだった。
だいたい夏山ってお盆を過ぎると空いてくる。どうやらのんびりとした登山ができそうだ。

そういえば山小屋の予約は取らなかったっけなあ。取っておいた方が夕食時間の5時半ギリギリまでに着けばいいことになるから楽なのだけれど、ま、しょうがないか。

10分後に朱色のちょっと風情のある橋を渡ると、徐々に山が近づいてくる。

バスは結構ガタガタと揺れていた。案外おんぼろなのかもしれない。

私はというと、嘔吐感はなかったものの、やはりお腹がやや不安定だった。
そして何故か少し頭痛がする。おかしいな。まだ高山病の症状が出るわけないのに・・・。

● 御嶽山とは・・・

さて、ちょっとここで御嶽山に関して述べておこう。

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ウィキペディアより

御嶽山(おんたけさん)は長野県と岐阜県の県境にある山で、標高は3067mと日本で第14位の高峰だ。もちろんあの深田久弥氏の選ぶ「日本百名山」にも選ばれている。

また御嶽山は古来より山岳信仰の山としても知られている。
通常は富士山、白山、立山の三山が「日本三霊山」とされているのだが、このうちの白山または立山を御嶽山と入れ替えて三霊山とする説もあるほどだ。

事実、富士山や白山などは、今日では一般登山者の対象の山となっているのに対し、御嶽山は今なお白装束に身を包み、金剛杖をつき、「六根清浄(ろっこんしょうじょう」の掛け声と共に集団登山する信者の姿がじつに多いという。

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木曽観光連盟のパンフレットより

ちなみに山頂までのルートとしては、王滝(おうたき)口、黒沢(くろさわ)口、開田(かいだ)口、日和田(ひわだ)口、小坂口の5つがある。

今回私が挑むのは黒沢口。
1785年(天明5年)、尾張の覚明行者(かくめいぎょうじゃ)によって開かれた、御嶽山で最も古い登山道だ。

このルートを選んだ理由は、夏の登山シーズンにJR木曽福島駅からバスが運行されていることと、1989年(平成元年)にロープウェイが開業されて、7合目近くまで一気に運んでくれるようになったためだ。

そんなわけで今私は、ロープウェイの鹿ノ瀬(かのせ)駅目指してバスに乗っかっているってわけです。

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途中からこのようにやたらに石碑が目立ってきた。

これはいわゆる普通のお墓ではない。御嶽信仰に関するものだ。

御嶽山は古来より信仰の山としても知られていると書いた。
巡礼の人々は、まずは自分達の先祖代々の石碑(霊神碑というらしい)に手を合わせてから、先祖の魂を供養し、願いを叶えるために御嶽山の頂(いただき)を目指して登り始めるわけだ。

個人的に山頂を目指す信者の人もいるだろうけれど、何処かの講社(同じ神仏を信仰している人々で結成している団体のこと)に属し、白装束に身を包み、金剛杖をつき、「六根清浄(ろっこんしょうじょう」の掛け声と共に集団登山する信者が今なおじつに多いのが御嶽山の特徴になっている・・・。

※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   

11時10分、かなり道が急になってくる。バスがだるそうにそんな急坂を登っていく。すれ違う車はごくマレだった。

11時15分、不易の滝というバス停で1人の若者が降りた。
後でガイドブックを見たら、確かに不易の滝という滝がある。っていうか、その前後に沢山の滝がある。

それらを見にいくだけなのか、それともそれから山頂を目指すのか、どっちなのだろう・・・。

ひたすらバスが山を登っていく。

一番後ろの方に乗っているおばちゃんたちは賑やかに会話していたものの、その他の人たちは静かだった。
富士登山のときにも感じたが、山に向かっていくバスの中って何処か独特な雰囲気がある。

11時半が近づくと雲が増えてきて、日が翳った。ガスの中に入ってしまったのだろうか・・・。

終点も近い・・・。

by JunMorosawA | 2010-09-08 16:52 | 低山歩き | Comments(0)


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