2009年 09月 15日
富士登山記 2009 その14(完結編)
8月20日8時10分、遂に富士山の剣ヶ峰に到達した私は過去最高の絶景の景色を眺めつつお鉢巡りを行った。

最後に待っていたのが、ある意味登山よりも大変な下山であった・・・。




● 下山開始

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9時11分、須走口(すばしりぐち)の下山口に到着した私はしばし休憩を取った。
その間にご覧のスパッツを足に装着する。これは下山の際に小石が靴に入るのを防ぐためだ。

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正面に雲海を見ながら下っていく。今日もほぼ快晴。本当に今回天候には恵まれた。

しかし好天であるというのはよいことばかりではない。その分土ぼこりが舞いやすくなるのだ。
そう。前に人がいると、そいつが舞い上げた土ぼこりがモロに襲ってくるのだ。この写真からもそれが分かるんじゃないかと思う。

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時々このようにブルトーザーやショベルカーとすれ違うことがある。
物資はこのように上まで運ばれる。だから500mlのペットボトルの水が500円にもなってしまうのだ。

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下に大陽館が見えてくる。
じつは私は去年この須走口から登った。そのときお世話になった宿がこの大陽館だ。

そしてこの大陽館の先から恐怖の砂走りが始まる・・・。

● 砂走りはやっぱり地獄だった

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砂走りとは、火山砂が堆積した急斜面に付けられた道で、ほぼ直線に下る効率のいい下山道のこと。「砂の上を飛ぶように走れる」ということから砂走りという(ちなみに御殿場口にはもっとすごい大砂走りがある)。

ところがこの砂走り、評価が二分されている。「飛ぶように走れて楽しい」という人と、「楽しくもなんともない。非常に歩きづらい」という人に、極端に分かれるのだ。

先ほど、去年この須走口から登ったと書いたが、去年は下りもこの道を使った。
で、どういう感想を持ったかというと、やはりあまりいい印象ではなかった・・・。

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今年もやはり同じだった。とてもこのお兄さんのようにシュタタタタとは走れない。
あれは若いからできるのだろう。中高年にはつらいだけの道だ。

おまけにこの砂走りに入ってから、余計土ぼこりがひどくなってきた。
「もうたまらん」と用意してあったマスクを装着する。

しかし、マスクをすれば確かに土ぼこりが鼻に入ることはなくなるものの、逆に呼吸が苦しくなるのが問題だった。
まさに痛し痒しといったところだ。

おまけに足の指先まで痛くなってきた。
結果的に書いておくと、両方の親指の裏側に軽い靴ずれができてしまっていた。

やはり富士山は下山の方がしんどいかもしれない・・・。

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吉野屋のある砂払5合目を過ぎるとご覧の樹林帯になる。標高が高い富士宮口では味わえない緑がここにある。この緑の多さで須走口を評価する人は少なくない。

途中から登山道と下山道が合流する。すると当然これから登ろうとする人たちとすれ違うようになる。
その際、「こんにちは」だけじゃなく、「行ってらっしゃい」とか「頑張ってください」とか、一言添えている私がいた。私も登るときにそういう風に声をかけられて嬉しかったからだ。

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12時18分、やっと2軒の山小屋のある須走口新5合目が見えてきた!2日間の富士登山のゴールである。

5合目は天候に恵まれなかった去年と同じようにかなりガスっていた。
このようにとても気まぐれなのが富士山の天候だ。

それなのに今回は登山の最中はほぼずっと好天に恵まれた。これは奇跡的なんじゃないかと今思っている・・・。

● 須走口新5合目から帰途に就く

須走口新5合目には2軒の山小屋がある。

入口から見て手前が「山荘・菊屋」で、店内には皇太子殿下がここでご休憩したときの写真が飾ってあるという(ついでに一時ここが「のりぴーハウス」をやっていた頃に酒井法子さんが訪れたときの写真も飾ってあるらしいが、今どうなっているのだろう?)。

奥の「東富士山荘」のご主人はきのこに詳しく、食事のメニューにもきのこを使ったものが多数用意されているとのことで、去年食べこそなった私はここできのこそば(900円)を食べるのを楽しみにしていた。

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ところがいざ頼んでみたら、でか!
まるで超大盛りって感じの量で、少食の私はいささかうんざりした。

食事のあとに東富士山荘の中に入り、御殿場までの1,500円のバスの切符を買った。このときの女の子は愛想がよくてかわいかったな(山から下りると女性がきれいに見える?)。

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食事のあとバス停に向かう。まだ発車までに25分もあるせいか、最初はたった1人ご覧のロンリーハイカーがいるだけだった。これで確実に座れる。ほっとした。

すぐに初老の夫婦がやってきた。
もう1人、40ぐらいの、女性としては珍しいロンリーハイカーがあとからやってきた。初老の夫婦が「上のベッドにいた方ですよね?」と話しかける。どうやら同じ宿だったらしい。

初老の夫婦の旦那の方が、日本でベスト5の山にこれで全て登ったと自慢していた。喋るのが好きな人のようで、私もいつの間にか会話に加わっていた。

1時0分、定時に御殿場行きのバスが出発する。
何か理由でもあるのか、バスは異常なほどゆっくりと富士山を下っていく。
みんな余程疲れていたのか、バスの中は話し声一つなく、ちょっと不気味なほど静かだった・・・。

※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   

こうして私の3度目の富士登山が終わった。

体力、靴共に不安材料を抱えていた今回の富士登山だったが、終わってみれば、足の指先が少し痛いぐらいで、まずまずの体調で終えることができた。

っていうか、高山病もたいしたことはなかったし、ひょっとしたら今までで一番体調がよかったかもしれない。
足・腰・ひざ共になんでもなかったのも特筆ものだ。

だけど私は手帳の最後にこう書いている。

     でも、もうこれで独りでは富士山はないだろうなあ。もういいよ。

誰かと一緒に登るのでもない限り、もう富士山に登ることはないだろう。

で、密かに、来年は日本三大霊山のうちの他の山に登ろうと計画を立てているのだが、はたしてどうなることやら・・・。

お わ り


by JunMorosawA | 2009-09-15 19:00 | 低山歩き | Comments(2)
Commented by wag-3 at 2009-09-18 23:44
BLOG/HPを含めていつも楽しみに拝見しています。
富士山登頂、毎日の更新がとても楽しみで何度も読み返しました。
私は登山はしませんが、チャレンジする際にはバイブルとしたいです。

北鎌倉は好きな場所ですが、訪問は年1-2度程度です
でもこちらを拝見すると行った気分になれるのでまあいいっか^^
Commented by JunMorosawA at 2009-09-19 20:25
wag-3さん、はじめまして(かな?)。

> BLOG/HPを含めていつも楽しみに拝見しています。

ありがとうございます。
恥ずかしながらHPの方はここのところ止まってしまっています。

> 北鎌倉は好きな場所ですが、訪問は年1-2度程度です
> でもこちらを拝見すると行った気分になれるのでまあいいっか^^

もうちょっと地元北鎌倉の話を載せたいんですけれどね。
最近なかなか仕事を抜け出してうろつけないもので・・・。

> 富士山登頂、毎日の更新がとても楽しみで何度も読み返しました。

富士山は何処か不思議な魅力のある山ですよ。是非そのうちどうぞ。

そういえばいつの間にかリンクしていただいていたんですね。
早速こちらからもリンクさせていただきました。


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