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2009年 06月 24日
悪魔のようなあいつ(水草水槽コケ物語)
アジサイもピークを過ぎつつあるため、今回はまたまたアクアリウム通信です。これもネイチャー(自然)ということで、お付き合いください。

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先月20日に新しくセットしたこの60cm水草水槽。こうしてみると一見何の問題もないように見える。

ところがそうでもなかった。

この手の水草レイアウト水槽にとって、一番忌み嫌うべき相手といえば、コケ(藻類:そうるい)である。

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そこで我々アクアリストはコケに対して“生物兵器”を投入する。これはそのうちの一つで、ヤマトヌマエビという。

ADA(アクア・デザイン・アマノ)という会社を興した天野さんが水草水槽に導入したことで一躍有名になった(だから海外では「Amano Shrimp」とも呼ばれている)。
とにかく素晴らしい「コケ取り職人」で、糸状のコケをきれいにたいらげてくれる。

特にセット初期によく発生するアオミドロ(田んぼなどでもよく見られる)というコケは大好物で、器用に摘み取って食べてくれる。

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もう一つはこのオトシンクルスというナマズの種類の魚。
こっちはセット初期によくガラス面などに付着する珪藻(けいそう)という名の茶ゴケが好物で・・・。

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このように器用に口先を使って、ペロペロとなめ取ってくれる。

とにかくこのオトシン君はとても働き者で、1日中飛び回って「仕事」をしてくれる。ガラス面に引っ付いている姿も愛郷があってよいです。

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ところがそれらの生物兵器が絶対に口にしてくれない最悪のコケがある。

濃い緑色をした、あの江戸むらさきのようにどろっとしたコケで、藍藻(らんそう)と呼ばれている。
藍藻はアクアリストがもっとも忌み嫌うコケで、少量でも強烈な悪臭を放つ。その臭いをネットでお伝えできないのがとても残念だ(ああ、あなたにも嗅がせてやりたい!)。

前景草として植えたこのヘアーグラス・ショートから藍藻が発見されたのは今月の頭ぐらいだった。
実は上の写真にも写っている。写ってはいるけれど、ほんの少量だから分からないと思う。

しかし、たとえほんのわずかなカケラでも、そこから水槽全体にはびこってしまう可能性があるのが藍藻という化け物なのだ。

普通藍藻は、掃除や水換えを怠ったような窒素分やリン酸分の多い水槽で発生する。
私も過去、掃除を怠ったため、水槽中藍藻まみれにしてしまったことがある。

しかし逆に初期の汚れのたまっていない水槽にはそんなには発生しないはずなのだ。だからこれはおかしい。おかしいぞ、藍藻君!

調べてみたら、どうやら濾過(ろか)の不安定なセット初期にも発生するようだ。
だったら時が解決してくれるはずですね。

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しょうがなく毎朝スポイトを使って吸い出すようにして除去していた。それでも次の日になると、また付着している。

とうとう我慢できなくなって数日前に一度ヘアーグラス・ショートを全部引っ剥がしてしまった。そしてごく一部だけを植え直した。

その結果ご覧のように空間が増えて、構図的にはとてもバランスがよくなった。
水草水槽って、密植と空間のバランスがとても大事なのだ。

だけどその他にもヒゲ状のコケもやや目立ちだしている。
まったくこのコケさえ発生しなければ水草水槽なんて楽勝なんだがなあ!

しかし「難しいから面白い」のも事実。それに水槽内の環境バランスがうまく取れてくると、自然にコケって減ってくるものだ。
しばらく我慢の日々が続きそうだ・・・。

by JunMorosawA | 2009-06-24 21:58 | アクアリウム | Comments(0)


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