野の花を求めて富士急行禾生(かせい)駅の近くにある九鬼山(くきやま)に乗り込んだ私。
9時過ぎ登山口から歩き始め、10時半頃、弥生峠に到着。これで稜線に達したことになる。
明るい尾根上には明るい場所を好む野の花が咲く。さて、今回はどんな野の花との出合いがあるのだろう。
私がこの九鬼山に来るのは去年の12月に続いて2度目。上の写真はその12月のときのものだ。
この日はとてもよく晴れていた。しかしご覧のとおりの冬枯れで野の花など何もなかった。
一方こちらは今回の九鬼山の状態。薄曇り状態で天候の方はさえなかったものの、徐々に緑に覆われ始めているのが分かると思う。
野の花でとてもよく目に付いたのがこのリンドウ。
リンドウといっても東慶寺の境内でも見られる普通のリンドウは秋の花だが、こちらは春の花で、おそらくフデリンドウ。
普通のリンドウよりも小さくてかわいらしい花で、本当にあちこちで目にした。
個人的にはやや珍しかったのがこの花。
ホタルカズラといい、ムラサキ科の多年草だ。
和名は花をホタルの光にたとえたものだというけれど、何だか分かったような、分からないような、という感じがしなくもない。
風邪に侵された状態での今回の山行だったが、幸い体調は案外よかった。
っていうか、もちろん無理な登山は論外だけれども、こうして山の精気に触れているとちょっとした病魔など何処かに飛んで行ってしまうんじゃないかという気がしなくもない。
さて、九鬼山山頂を越えて下りに入る。この右側に谷が迫っている場所は通り抜けるのが少し怖い。ひょっとしたらこのコース唯一の難関と呼べるかもしれない。
難所の斜面で目立っていたのがこのスミレ。アケボノスミレといい、大型のスミレに属する。
こうやって葉っぱがくるっと丸まっているか、あるいは花期にはまだ葉が展開していないこともあるのが特徴。
こちらがそのまだ葉っぱをつけてない状態のものだ。
このアケボノスミレなどは、かつての私にとっては「幻のスミレ」だった。それがこの場所には当たり前のように咲いている・・・案外そんなものなのだ。
ところがである。じつはこの九鬼山で、それこそ私が今まで見たこともない、まさに「幻のスミレ」と今回遭遇していた!
次回はそのお話をしたいと思います・・・。